古代マヤ王歴代誌



古代マヤ王歴代誌
古代マヤ王歴代誌

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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待望の本

マヤの歴史を王たちの個人の顔を観ながら読むことができます。日本語では初めての本でしょう。もともとマヤ文明の本自体が日本語では非常に少ないので、物好きの門外漢が読める本がなかなかない。しかも、信長とかフィデアスとかアショカ王とか康煕帝とかいうような個人の名が無く「ティオテワカンの影響がティカルにみられる」とかいうような真面目な記述だったのでどうも迫力がありません。ところが、この本では、なんと、本物の同時代の肖像つきで多くの王と女王とその事績が、時には誕生日や即位日まで明確に紹介されています。肖像のない日本の古代の有名人よりリアルかもしれません。碑文中心に再構成された歴史という点ではカンボジアのアンコール王朝の歴史にも似ています。これをネタに小説やゲームを制作する人もでてきそう。
採用されている人名がどの程度正しいのかはわからないが、御堂関白や六波羅殿などという通称程度には個人名としてふさわしいかもしれません。

低地マヤの諸王国に限っているのは、どうも北部ユカタンや南部高地の諸都市では歴史碑文があまりないか、解読されていないためのようです。有名なチェチェン=イツアの歴史さえ、現在でもよくわからないらしいのには驚きました。
スリリングに古典期マヤの政治史を読む!

Thames&Hadson社から2000年に刊行されたSimon Martin&Nikolai Grube「Chronicle of Maya Kings and Queens」の邦訳です。

ティカル、テオティワカン、コパンといった各遺跡の最近の発掘調査や碑文研究の成果を集大成しています。ティカルやコパンの王朝の起源、ティカルが、378年にテオティワカンの将軍に制圧され、テオティワカンの王子が新王になったこと、宿敵同志のカラクムルとティカルの戦争、いわゆる都市を表す「紋章文字」が同じティカルとドスピラスは、ティカル内部のリネージの争いで成立し、お互いの正統性を主張して、宿敵カラクムルまで巻き込んだこと、古典期終末期のマヤ崩壊の前兆ともなったペテシュバトゥン地方で起った内戦とドスピラス遺跡の徹底的な破壊などの最近の研究成果がまとめて読めます。
日本で初めてのマヤ王朝史

原著にある参考文献、文献引用注が省かれている。日本ではこうした参考文献は手に入らないという考えなのか?また、原著のタイトル「王と女王」の「女王」が削られたのは欧米との性意識の差なのか?

サイモンマーチンは、ロンドン大学芸術アカデミーを出た人。マヤ文明に後から興味を持ち始めた。名誉研究員であるが、欧米の学会では下手な教授より敬意を払われている。副著者のニコライ・グルーベ博士には3日間だけマヤ文字を教わった。もう忘れているだろうが、彼のドイツ語なまりの英語や、つれてきたドイツ人学生たちのマヤ文字の知識にびっくりしたことを覚えている。
3‐10世紀初頭の、いわゆる古典期と呼ばれるマヤ古代文明の王たちが記録した碑文解読の成果を紹介する。他の時代のマヤ文明の解説はおまけ程度の代物。さらにマヤ文字の解読法を教えるものでもない。

マヤ文字の解読はおおよその意味が取れるというのが実情で、事実ブリガム・ヤング大学のハウストン教授は現在でもドレスデン絵文書の数ページはまったく読めないということを私に教えてくださった。

いくつかは違った視点を詳しく紹介した方がよいと思われもするが、この本は彼らの見解を示すものであり問題ではない。いくつかの点は、私の『マヤ文明』(太陽書房:直販式)の中で論じてある。この本には5をつける。彼らは自分たちの独創によってこれを書いたのである。他人のあら捜しをして自分を権威付ける本ではないから理由である。
今回初めてマヤ王たちのフルネームが日本の読者に紹介された。私の本も(原稿終了段階まで、この翻訳作業のことは知らず、原著を見ていた)この本に習うべきかと考えたが、過去の出版物を読むとき随分混乱したことから、今まで使われてきたあだ名を原則として用い、サイモンらの提唱する名は併記する形で採用してある。どちらがよかったのか。



創元社
マヤ文明を掘る―コパン王国の物語 (NHKブックス 1086) (NHKブックス)
マヤ文明はなぜ滅んだか?―よみがえる古代都市興亡の歴史
古代マヤ文明
古代メソアメリカ文明――マヤ・テオティワカン・アステカ (講談社選書メチエ)
マヤ文明―失われた都市を求めて (「知の再発見」双書 (07))




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